2013.2.16(土)、朝、村人から情報が入った。対戦車地雷があるとの情報だ。
場所は、バッタンバン州プノンプラ郡チョムカートロップコミューンバランクリャ村、宿舎から車で30分くらいの場所だ。
土曜日は、デマイナーは休みなので、チームリーダーと高山の二人で行くことにした。
現場に着いて、村人から情報をとり、細部位置を確認した。民家から10mも離れていない場所だ。
チームリーダーのシェットが、探知棒で探りながら作業を開始した。この辺で見つかる対戦車地雷は殆どが2段重ね、3段重ねが多いので、それを予想しながら、また、下部や周辺に対人地雷をセットしてある場合も考えられるので、作業は、実に慎重を期さなければならない。
シエットの顔面から汗が滴り落ちる。乾季なので土が硬い。水を含ませて土を柔らかくしながら作業した。
シエットの疲労を考えて、交代しながら作業を続けた。二人とも無言で、神経を集中させながらの作業だ。
少しずつ対戦車地雷の全容が見えてきた。
下部に対人地雷の仕掛けが考えられるので、それを確認するまで気が抜けない。探知棒で下部を慎重に探りながら、仕掛け地雷がないことを確認し、慎重に対戦車地雷を動かした。二人とも顔を見合わせて、目で「終わったなあ」と。その後、村人が隣の畑に案内するので同行した。
ソ連製の82mmHE-FRAGが置いてあった。発射されたものだが、戦車にあたらなかったので地中に弾着し、不発弾として残ったものと思われる。危険な不発弾を回収した。
周囲の村人は我々の手を握り、感謝を表した。特に、私が日本人であることに感激して、片腕のない村人や片足義足の村人が抱きしめてくれた。半日をかけた回収作業は無事に終わり、宿舎に向かった。
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